お散歩
MTS作
↓の絵を元ネタに書きましたので、合わせてどーぞ
ttp://g2n001.80.kg/test/read.cgi/mjgts/1321976347/480
1.お出かけ前の姫様
夏向けの薄いブラウス。
冬向けの分厚い毛皮のコート。
お城の衣裳部屋には、姫様の衣装が並んでいます。
…今日は何を着て出かけようかな?
姫様は散歩に出かける衣装を選ぶのに時間をかけます。
お出かけ先は、お隣の国です。
最近、ちょっと生意気な事を言っているので、お散歩に行く事にしたのです。
特に変わった事をするわけではありません。
少し歩き回って、少し遊んで帰ってくるだけです。
15歳になる姫様の、ちょっとしたお遊びです。
…そうだ、クリスマスも近い事ですし、赤いドレスで行きましょう。サンタ服を意識したようなドレス。
姫様は、にっこりと微笑みました。
靴も毛皮がついた赤いブーツにしましょう。
足のサイズは22センチ程。小柄な姫様に相応しい足のサイズです。
お城の中で、お出かけの衣装を決めるのは、姫様の二番目の楽しみでした。
…体の大きさは、どの位にしましょうか?
最後に、姫様はお散歩する際の体の大きさで悩みます。
10倍程のサイズになると、人を拾い上げてお人形遊びをするのに丁度良いです。
100倍程のサイズになると、人を摘みあげてプチっとするのに丁度良いです。
1000倍程のサイズになると…10000倍程のサイズになると…
大きくなればなっただけ、違う楽しみがあります。
お出かけの際の体の大きさを考えるのは、姫様の一番の楽しみでした。
それから数十分後。
赤いドレスを着た姫様は、足元に転がる砂粒を眺めていました。
それは、先ほどまで姫様が居たお城でした。
今日は5000倍程のサイズになった姫様。
相変わらず可愛らしい彼女の足は、1100メートル程の女の子らしい小さな足のサイズでした。
青い空に浮かぶ雲も、彼女の腰の辺りに漂っていました。
2.お散歩
どこまでも続く大地。
この広い大地に、誰が国境など設けたのでしょうか?
姫様は不思議でなりません。
彼女の足元には平坦な大地が続いています。
5000倍サイズになって見回してみると、世界は平らでした。
人間なんて砂粒以下です。居る事すらわかりません。
数十メートルもある城で、やっと砂粒でした。
…国境の砦があるのは、あの辺りだったよね?
よく見れば、地面が少し盛り上がっています。小高い丘になっている場所でした。
姫様は迷わず丘の上に足を踏み出しました。
…姫だ! 姫が来たぞ!
国境の砦は騒然としました。
赤いブーツがそびえ立っているのです。
国境の砦に居た数千の兵士は成す術もなく、幼い姫の姿を見上げていました。
雲の上から、にっこりと微笑んだ顔が覗いていました。
ある者は逃げ出しました。
ある者は勇敢に弓を構えました。
空を赤いブーツが覆いました。
次の瞬間、砦がある小高い丘だった場所は、長さが1100メートル程の谷になりました。
丁度、姫様の足と同じ形でした。
ずしん…
ずしん…
姫様は一歩進むたびに、同じような1100メートルの長さの谷を作っていきました。
…あら、大きな山があるわね。
姫様は地面が盛り上がっているのに気づきました。
ゆるやかに盛り上がり、一番高い所は1000メートル程になっています。
…これが、有名な古竜達の山なのね。
噂には聞いた事があります。
全長が数十メートルにもなる古竜達が住まう恐ろしい火山地帯で、彼らの財宝を狙う腕利きの冒険者達が集う場所として有名でした。
…うわぁ、一度行ってみたかったんだ。
有名な場所なので、姫様は一度行ってみたいと思ってました。
…そうだ、せっかくだしここで一休みしようかな。
姫様は火山地帯を見下ろして考えました。
山頂付近に狙いを定めて、ゆっくりと腰を下ろし始めます。
小さくて可愛らしいお尻が、山へと降りてきました。
怒ったのは、縄張りを犯された古竜達でした。
数十メートルの体躯と、それと同じ位の長さがある翼を翻し、山から次々と飛び立ちます。
蜂の巣をつついたような騒ぎとは、正にこの事でした。
数十…いや、数百もの古竜達が、山を跨いで立つ姫様のブーツと、彼女が無造作に降ろそうとしているお尻に群がりました。
一つの街が燃え尽きてしまう程の炎の息が、ただ腰を降ろそうとしているだけの無抵抗の姫様に浴びせられました。
彼女のブーツやお尻の表面で炎が上がりました。それだけでした。
ずしーん!
姫様のお尻が火山地帯に降りました。
…古竜さん達はお留守かしら?
自分達の縄張りを慮辱されれば古竜達が姿を現すだろうと姫様は思っていたのですが、姿が見えません。
…それとも、小さすぎて気づかなかったかしら?
そう考えると楽しくなって、姫様は笑ってしまいました。
よく見ると、ブーツの辺りを無数の埃が舞っています。少し赤く、燃えているようにも見えました。
数十メートル程の古竜だから、埃位のサイズです。
古竜を観察した姫様は、ブーツにまとわりついている彼らを手で叩いて振り払いまらいました。
姫様のお尻にまとわりついていたり、火山地域に残っていた古竜達は、すでに彼女のお尻の下で染みになっています。
こうして、火山地帯に巣食っていた数百体程の古竜は全滅しました。
…温かくて気持ちいいな。
恐ろしい重圧をかけられ、沈没した火山地帯は、微妙なマグマのバランスを崩されて荒れ狂うように噴火を始めていました。
古竜達でさえ、もう住む事が出来ない環境です。姫様が腰を下ろすには温かくて気持ちが良いでした。
無数の古竜達をお尻の下で敷き潰したまま、姫様は火山の温もりを楽しみました。
しばらくして、姫様は、また歩き始めました。
…確か、あっちの方には街があったはず。
少し遠くに、地面の色が変わっている場所があります。
白っぽくなっているのは、石畳が敷かれた街なのでしょう。
姫様は街へ遊びに行こうと思い、その上に足を踏み出しましたが、思い直しました。
…何万人もの人が住んでるんだもんね。
さすがに、姫様も悪魔ではありません。
罪も無い何万人もの人々の上に、赤いブーツを踏み降ろす気にはなりませんでした。
…礼儀正しく、裸足で行かないとね。
姫様は、ブーツを脱いで裸足で街へ行く事にしました。
ブーツを脱ぐと、無造作に放りました。
ずぅん!
1100メートルの赤い塊が地面をえぐりました。
それから、姫は街に足を踏み出しました。
数百メートル程の外壁に囲まれた、それなりの大きさの街です。
外から進入するのは至難の業ですが、上から入るのは簡単でした。
街の外壁は、姫様が足を下ろしてもすぐには崩れません。
街が数百メートルの広さしかなく、外壁も数十メートル程度の高さしか無かった為です。
丁度、彼女の足の土踏まずの部分に収まってしまいました。
彼女の体重が降ろされた衝撃で地震が起こり、外壁も建物も崩れてしまいましたが、直接踏み潰される事はありませんでした。
ですが、それでは姫様は満足しません。
…ちゃんと足に触れないと、街に入った事にはならないわよね。
そう思って姫様が体重をかけると、柔らかい大地に小さな足が沈んでいきました。
姫様の足が起こした地震で、すでに街は残骸となっていましたが、足が直接触れると、やはり違います。
数万人の人々も建物も、彼女の足を支える事は出来ませんでした。
姫様は容赦無く街に体重をかけました。
…街に遊びに行くのは楽しいな。
体重をかけたまま、足を動かし、踏みにじります。
石畳も建物も数万の人も、山よりも大きな巨人の体重を支える事が出来ません。
姫様の素足の下で、原型がわからない瓦礫となりました。
そうして、しばらく街で遊んだ後、姫様は帰る事にしました。
…ちょっと汚れちゃったな。
立ち上がって、姫様は背中越しにお尻と足の裏を確認しました。
お尻には敷き潰した古竜と火山の残骸が張り付いたままだし、足の裏には数万の人々と街の残骸と数万の人々が張り付いていました。
姫様は満足しました。
(完)
( ̄_ ̄)ノ あ ( ̄_ ̄)ノ と ( ̄_ ̄)ノ が ( ̄_ ̄)ノ き
( ̄_ ̄)ノ それは昨夜の出来事でした
<●>があらわれた!
<●>ノ :よう、MTS、俺、24時間生放送やってるんだぜ、すげーだろー
`⌒´)ノ :すごいね! 今から応援行くよ! ついでにSS書くよ!
<●>ノ :いや、来なくていいから
`⌒´)ノ :よっしゃー
<●>ノ :だから来るなよ、うざいから
というわけで、2011年冬のおて生24時間放送に勝手に遊びに行って、
おてこが描いてたレア様の絵を見て書いたSSです。
なるべく短くしようと思ったら短くなりました。
( ̄_ ̄)ノ お ( ̄_ ̄)ノ し ( ̄_ ̄)ノ ま ( ̄_ ̄)ノ い
※このあとがきはフィクションです。実在の人物、花とは関係ありません。