2.続・登校編

 「さ、弘美さん。
  怒らないから言って御覧なさい?」
 僕のクラスメート…委員長が言った。
 「は、はい…」
 下級生の女子が、しょんぼりとしている。
 僕の目線で、高さ140メートル位の所にある口から、彼女の元気の無い大声が落ちてきた。
 1/100サイズに縮小されて学校生活を送る一般生徒にとって、普通サイズの彼女の声は、多少元気が無くても、巨人の声に聞こえてしまう。
 今年の四月に入学したばかりの1年生の女生徒だが、『学級委員』である。三年生とはいえ、一般生徒の僕から見れば巨人だ。
 でも、ついさっき、僕を虫けらのように踏み潰そうとした彼女も、さすがに委員長には敵わないようだ。
 一年生と三年生。
 ただの『学級委員』と『委員長』
 どっちが上かは、明らかである。
 というか、がんばれ委員長。
 君が何とかしないと、僕は下級生の女子に虫けらのように踏み潰されてしまう。
 「えーと…
  この無能な一般生徒のカス野郎が、私達『学級委員』の区域に入ってたんです…
  だから、見せしめに踏み潰してやろうとして…」
 上目遣いで媚を売るような目線で、下級生の『学級委員』は言った。声も、僕を追い込んでいた時とは別人のように、可愛らしい。
 女の子って…怖いな。
 「なるほど。
  確かに、私達、『学級委員』の区域に不法侵入したのであれば、厳しい罰を与える事は必要ですね」
 頷く委員長。
 おい、委員長。どっちの味方だ?
 僕がそう思ったとき、委員長の目が、眼鏡越しに僕の方を見下ろした。
 委員長、テレパシーでも使えるんだろうか…?
 僕は少し怖くなった。
 「ね!そうですよね!
  私、この無能で小さくて何の役にも立たない社会のお荷物候補を、踏み潰しちゃってもいいですよね!」
 委員長の理解が得られたせいか、下級生の『学級委員』は元気を取り戻した。
 ローファーを履いた足を、威勢よく振り上げてみせる。
 セーラー服がめくりあがる時に起きた風に、僕は飛ばされないように必死に地面にしがみついた。
 そうして彼女が足を上げると、僕の位置からはパン○が丸見えになってしまうが彼女は気にしていないようだ。
 というか、言葉遣いを何とかした方が良いのでは?
 頭の中身が足り無そうな下級生に踏み潰されようとしている事を考えると、僕は悲しくなってきた。
 なんで、この子が学級委員に選ばれたんだろうかと、疑問に思う。
 しかし、困った。これじゃ本当に踏み潰されちゃうじゃないか。
 何とかするんだ、委員長。
 僕は委員長に心の声を送った。
 届くといいな…
 声が届いたのかはわからないが、委員長が口を開いた。
 「でも、弘美さん、ちゃんと事情を聞きましたか?」
 下級生の『学級委員』…弘美って名前なのかな…を問い詰める。
 「そ、それは…その…」
 足を振り上げたまま、弘美の体が固まる。
 さっき、弘美は僕の話なんて何も聞いてくれなかった。問答無用で僕の事を踏み潰そうとしていた。
 「その男子は不法侵入ではありません。
  『学級委員』の許可を得た上での行動です」
 委員長は、はっきりと言った。
 「え、そ、そうなんですか?」
 『学級委員』の言葉は、この学校では法律に値する。他の『学級委員』が許可したのであれば、同じ『学級委員』である弘美も、なかなか文句は言えない。まして、委員長の言葉に逆らうには、かなりの理由が必要だ。
 「で、でも、誰が許可したんですか?」
 弘美は疑問を口にする。
 確かに『学級委員』の女子達の聖域に一般生徒…それも男子…が入る事を許すとは、なかなか信じにくいのも無理はない。
 だが、委員長は言った。
 「私が許可しました。
  この男子生徒、西川哲也に、ここに来るように指示を出したのは私です。
  …何か文句はありますか?」
 相変わらず、穏やかではあるが、有無を言わさない委員長の声。
 「そ、そうとは知らず、ご、ごめんなさい!」 
 弘美は謝った。
 お、どうやら僕は助かりそうな雰囲気だ。
 もっとも、委員長はこういう場面に出くわしたときには、必ず踏み潰されそうな一般生徒を助けている。
 それに、彼女自身が一般生徒を踏み潰した事も無いと言っていた。
 そういう子だからこそ、委員長にまで推薦されるのだろう、多分…
 今回も、委員長は僕を助けてくれるようだ。
 というか、まあ、僕の事は助けてくれるだろうけど…
 「それに…よく見て下さい」
 委員長は弘美に言いながら、かがみ込んだ。
 地面にかがみ込んだ彼女の手が、僕に伸びてきた。
 ピアノで鍛えた、細くて器用な委員長の親指と人差し指。
 それが、僕の胴体を摘んだ。
 僕が抵抗出来ないように、僕が痛くないように、絶妙の力で摘み上げる。
 委員長に摘み上げられると、地面がどんどん遠くなった。
 急上昇するエレベーターに乗ったかのようだ。
 すぐに、僕は地上150メートルの高さ、60階建ての高層ビルに匹敵する高さまで持ち上げられた。
 委員長にとっては、全長1.7センチ程の小人を拾い上げただけの事である。
 「弘美さん、彼に見覚えないですか?」
 委員長は僕の背中を掴んで摘み上げ、弘美に見せ付ける。
 何も言わずに、首をかしげて、弘美は僕を見つめる。
 僕の体より大きな、彼女の目。
 時々、彼女がまばたきすると起こる風が、吹き付けてきて、ちょっと心地よい…
 「あああああ!」
 何かに気づいた弘美が顔色を変えた。
 「委員長!
  ほんっっとうに、ごめんなさい!
  西川さん…いえいえ、西川大先輩も、ほんっっとうにごめんなさい!」
 早口に謝った。
 高層ビルのような体が崩れ落ちた。
 地面に手を付いて、土下座する。
 「ちょ、ちょっと弘美さん。そこまでしなくていいですから・・」
 そこまでされると、委員長の方があわててしまった。
 僕もあわててしまう。
 「もう、これからは、私の事、ポチって呼んでください!
  先輩達の為だったら、マジで何でもしますから!」
 「わ、わかったから、もう行って下さい。
  あ、あの、これからは気をつけて下さいね…」
 「イエス!サー!」
 立ち上がって敬礼する弘美。
 なるほど、一応、人間らしい感情は持っているらしい。さすがは『学級委員』なのだろうか?
 大またに、2歩程で運動場を飛び越え、持ち場に帰る弘美を、僕は委員長に摘まれながら眺めていた。
 どうやら僕は助かったらしい。
 僕と委員長は2人きりになった。
 「さて…西川君?」
 体が振り回されるのを感じた。
 委員長に摘まれた僕は、彼女の方へと向きを変えさせられた。
 僕の目と委員長の目が合う。
 嫌な予感。
 「委員長…来るの遅いよ。
  踏み潰されるかと思ったよ?」
 最初に口を開いたのは僕だ。
 こういう時は、先に話した方が有利だ。
 「遅くないわ。
  私は時間通りに来ました。
  時間より早く来た上に、1人で『学級委員』の領域に入った西川君が悪いんです」
 穏やかな委員長の声に返す言葉が無い。
 僕が約束していた相手、待ち合わせの相手は委員長だ。
 ただ、彼女が言うように、待ち合わせ場所は『学級委員』の領域の中ではなかった。
 委員長は、僕を庇って、自分が『学級委員』の領域に呼んだと嘘をついてくれた。
 ありがとう、委員長。
 確かに僕が悪い…
 「い、いや、ちょっと入ってみたくて…」
 悪いのは僕だと思ったが、委員長の巨大な指に挟まれて顔を近づけられると怖い。怖いから、言い訳をしてしまう。
 「探検ごっこ?
  子供みたいですね」
 責めるような委員長の声に全く返す言葉が無い。
 高校三年生にもなって、まるで小学生のような探検ごっこをしてしまった事を後悔した。
 「子供には、子供のおしおきが必要ですね」
 きりっとした委員長の目が、眼鏡の下でにやっと笑ったように見えた。
 「うふふ、高校は君みたいな子供が来るところじゃないですよ?
  君みたいな子は、ママのおっぱいでも吸ってなさい」
 赤ちゃんにでも話しかけるような声。
 先ほどまでの彼女とは、まるで様子が違う。
 ママのおっぱいとか言われても、ちょっと引いてしまう。
 だが、僕が彼女のような巨人に逆らう術は無い。
 彼女に摘み上げられたままの僕は、セーラー服で隠された彼女の胸に押し付けられた。
 セーラー服の表面、少し固い布の感触。
 それを通して、柔らかい胸の感触も感じた。
 「こ、こら、力づくは、やめろよ…」
 委員長は、全長1.7センチの虫けら…僕を、自分の胸に押し付ける。
 「だーめ。
  西川君は悪い事したんだから、お仕置きします。」
 とても楽しそうな声。お仕置きという雰囲気では無い。
 委員長は、僕を自分の胸に押し付ける事を楽しんでいる。
 気持ち良いんだけど、委員長の胸と力が大きすぎて、苦しい。
 僕の身長と、委員長の指の厚みが同じ位だから、体格差で圧倒されてしまう。
 一応、苦しいから、お仕置きとしても、成立していない事もないのかな・・
 まあ、こういうのは、今に始った話では無い。
 委員長とは、小学校から一緒だった。
 長さだけは長い付き合いになる。
 幼なじみと言うべきか、腐れ縁と言うべきか、それは僕にも委員長にもわからない。
 良くも悪くも、僕と委員長の関係は小学生の頃と変わらない。
 誰も見ていないと、小学生の時とあまり変わらず、ふざけあう。
 こんなに体の大きさが違う状態になってしまっても、それは一緒だった。
 「西川君、ちゃんと反省したかしら?
  もし、今度悪さをしたら、私が踏み潰しますからね」
 僕は、ぎゅぎゅうと、胸に押し付けられる。
 委員長の指と胸に挟まれる圧力で、答えたくても声が出せない。
 身長150メートル以上ある、『学級委員』の女生徒達にお仕置きをされるのは怖いが、委員長だけは例外だ。
 だって、委員長なんだもん…
 しばらく続く、委員長のお仕置き。
 「…じゃ、反省したところで、約束どおり行きましょうか」
 やがて、委員長は僕を摘んだ指の力を緩めた。
 「反省してないから、もうちょっとお仕置きして欲しいかも…」
 「だめよ。もう始業の時間だから」
 素直に言う僕に、委員長は首を振った。冷静な娘だ。
 委員長がだめだというんじゃ、仕方ない。決めるのは委員長だ。
 それから、彼女は僕を胸から放すと、今度は僕をセーラー服の襟の間から、服の中に入れた。
 僕の体が委員長の制服の内側で、彼女の体とシャツの間に挟まれる。
 委員長の指によって、首の所から胸…ブラジャーの辺りまで下ろされた。
 委員長の胸が下着越しに体に触れる。
 何といっても夏だし、汗の匂いと甘い匂いが篭っていて、蒸し暑い。でも、柔らかくて気持ち良い…
 委員長は僕が胸に納まったことを確認すると、委員長は少しだけ制服の前を開けた。
 「外、見えるかしら?」
 「う、うん」
 委員長は僕を胸に収めて外を見えるようにしてくれた。
 高いな…
 校庭の方に居る一般生徒が、本当に虫みたいに小さく見えた。
 これが、『学級委員』の女生徒達の目線なのか。
 「どう?
  満足しました?」
 委員長の言葉に、僕は圧倒されながら頷いた。
 これが、僕と委員長の約束だった。
 僕は一度、幼なじみの委員長の、学校での目線を体験してみたかった。
 夏休みのイベントという事で、委員長と約束をしていた。
 身長150メートルの巨人の目線を、僕は満喫させてもらう。
 「じゃ、満足したら、教室に行きますよ」
 委員長が誇らしげに言った。
 いつもの自分の目線を、虫みたいに小さくなった幼なじみに教えた事は、彼女にとっても楽しい事なのだろう。
 委員長が僕を胸に入れたまま歩き始めた。
 胸に挟まれた僕には彼女の表情が見えないが、多分笑っているんじゃないかな?
 ずしーん。
 委員長が歩くと伝わってくる、地面の底から突き上げてくるような揺れ。
 彼女が歩くのに合わせて、彼女の体が特に縦に大きく揺れるのを感じた。
 縦揺れと柔らかい胸、上空150メートルから見下ろす生徒達。
 彼女が、この学校の中で絶対的な存在だという事を体で教えられてしまう。高校に入る前は、普通の幼なじみだったのになーと、ちょっと寂しい。
 委員長は、ほんの数歩で『学級委員』専用の、大きな扉にたどり着いた。
 靴を校内用のサンダルに履き替えて、クラスへと向かう。
 「おはようございます」
 他の『学級委員』達と会うと、彼女は、いつもと変わらずに淡々と挨拶をしている。
 でも、胸の中の僕が見つからないか、少し心配なんだろう。少し胸の鼓動が早くなっていた。
 委員長の胸に揺られるクラスへの道は、時間にすれば1分にも満たないものだったのだろうが、僕にとっては忘れられない体験になりそうだ。
 クラスの前でこっそりと足元に下ろされても、僕はしばらくぼーっとしていた。
 委員長の足元に居ると、ますます彼女の大きさが伝わってくるようだ。
 『学級委員』用の扉を開けて、先に教室の中へ消える彼女の後姿を、僕は見上げていた…

 3.黒板編

 なにせ、一クラスに200人だ。教室の広さに関しては、うちの学校は凄い事になっている。
 …あくまでも、一般生徒の体感でだけれども。
 どれ位の広さなのか、気になったので、前に調べた事がある。
 縦40×65cm
 それが、僕達の教室の広さだ。
 これは、やや広めの体育館並だ。バレーボールのコートなら8面以上作れる広さがある。
 200人の生徒を収容するのに、十分な広さだ。
 ただ、それはあくまでも、僕達一般生徒の感覚である。
 縦40×65cm』。
 これでは、身長が160cmある、うちのクラスの委員長の足を入れるにも長さが足りない。
 では、委員長がどこに居るかと言うと…
 「さ、皆さん。
  ホームルームの時間ですよ」
 声は、やはり上から聞こえてきた。
 体育館並み広さの教室の天井が、眼鏡をかけた女生徒の顔で覆われた。もちろん委員長である。
 委員長は、大き目の机の前に腰掛けていた。
 彼女の机の上には、玩具の家にしては少し大きめな、縦40×65cmの箱が載っている。
 その箱の中に、身長2センチに満たない小虫が200匹程、人間みたいな姿でうろうろとしているわけだ。
 僕達…一般生徒の教室は、『学級委員』の机に載せられている。
 本来の教室の入り口から、僕達の教室までが長い階段で繋がっている。
 『学級委員』がコンセントを差し込んでくれれば、僕達の教室にも電気や水道も通るようになっている。
 理科の実験や、体育の授業で他の教室へ移動する時は、僕達を教室ごと他の教室へ運ぶのが、『学級委員』の仕事でもある。
 僕達の教室は、彼女達にとっては少し大きめのカバンのような大きさに過ぎない。
 たかが200人位のクラスメートの重さなんて、彼女達の体にとっては無いようなものだ。
 どんなに非力な女の子でも、アリが200匹入った入れ物を運ぶ事位は出来る。
 この、生徒を教室ごと運んでしまう『学級委員』の活動は、特に入学したての1年生にとっては特別な意味があった。
 普通、この学校に入りたての一般生徒や『学級委員』は、『学級委員』が決まった最初の一週間位は、自分達の大きさの違い、余りの力の違いに戸惑うものだ。
 クラスの中に1人だけ、100倍サイズの巨人が紛れているのである。
 それでも、一週間程も経つと慣れてしまう。
 『学級委員』達の手によって、一般生徒達が200人まとめて教室ごと持ち上げられる日々が続くと、お互いの力の差、どちらが上でどちらが下なのかをすぐに納得するものだ。
 もっとも僕の場合は、一年生の頃、委員長が初めて『学級委員』になった日に、僕の身長よりも高くなってしまった彼女の靴を見て、すぐに委員長と僕の立場の違いを理解したけども…
 ともかく、そうして彼女達は、クラスメート200人を、まとめて教室ごと運んでしまう。
 理科室やら音楽室には、それぞれ僕達サイズの教室が用意されているから、やはり『学級委員』の机の上で、僕達はそれらの教室に移動するわけだ。
 ちなみに、教師のサイズも僕達と同じサイズである。
 各教室で、僕達は、僕達と同じサイズになっている教師の授業を受けわけだ。1人の学級委員のサイズに合わせるよりも、200人の一般生徒のサイズに合わせた方が教師も都合が良いわけだ。
 しかし、教師よりも巨大な姿をしているとは、この学校の『学級委員』の女生徒は、教師よりも偉いんだろうか?時々疑問に思ってしまう…
 まあ、今から始るのはホームルームだから、教室の移動は無い。
 委員長の机の上の教室で、僕達はホームルームを始めた。
 席を立った委員長が、教室の前にある電子黒板へと歩く。
 委員長のサイズの黒板は、僕達にとっては巨大すぎる壁である。とても僕達が書く事が出来ないし、大きすぎて見るのも辛い。
 なので、黒板は電子化されていて、僕達の教室にある黒板と、委員長サイズの本物の黒板が繋がる仕組みになっている。
 委員長が書いたものを、僕達は僕達の黒板で見えるし、逆に、僕達が書いたものを、委員長は委員長の黒板で見えるわけだ。
 実際、そこまで面倒な事をして、『学級委員』を巨大な姿にしておく意味があるのか、僕にはよくわからない…
 「では、皆さんホームルームを始めます」
 よくわからないが、委員長が僕達にとって絶対的な存在な事は確かだ。黒板の前に立った彼女の声が教室中に響く。
 彼女がホームルームを始めると言ったら、始るのだ。
 「今日のテーマは、学園祭の出し物を決める事です。
  皆さん、意見をお願いします」
 少し落書きが残った黒板を、委員長は、あえて全部は消さない。
 せっかくクラスメートが書いたのだからと、残してくれる。妙な所で優しい。
 今日も、日直の名前に「バーカ」と落書きしてあったりするのが、そのままになっている。
 「MTS学の説明は、もう消してしまっても構いませんか?」
 委員長が僕達に尋ねた。
 身長が900メートルもある妖精『らうみぃ』に関する講義という、よく意味のわからない授業だ。
 そんな巨人に人間が敵うはずが無いだろう。
 MTS学によると、『らうみぃ』というのは、人を虫けらのように扱う恐ろしい女の子らしい。何の迷いも無く人を踏み潰すそうだ。まるで、うちの学校の一部の『学級委員』みたいだ。
 そんな巨人に対する方法は…
 何か言っていたような気もしたが、興味が無かったので忘れてしまった。
 まあ、確かに、女の子に踏み潰される方が、怪獣に踏み潰されるよりはマシだという気もするが、それでも900メートルという大きさは、ちょっと想像がつかない…
 そんなMTS学が一般生徒の興味を引くはずが無いのだが、まだ黒板を写していない生徒が居るようなので、黒板は、そのままにされた。
 それから、幾つかの学園祭の出し物が、一般生徒によって提案される。
 これは、順番に並べて考えてみよう。
 まず、最初の提案は…
 『きっきっきっきっ茶店』
 …ねえ、委員長?
 そんなに発音まで正確に黒板に書かなくても良いんじゃない?
 ちょっと緊張気味に、言葉がどもってしまった女生徒の発言を、委員長は正確に黒板に書いている。いや、君が几帳面なのはわかるけどね。
 次の提案は…
 『おばQ屋敷』
 …おばけ屋敷の事かな?
 教室の中を暗くして、とりあえず一般生徒を入れてみるのかな。
 それで、暗い部屋の中で一般生徒が天井を見上げてみると、そこには巨大な少女の顔が…
 いや、この学校の生徒にとっては見慣れた光景だから、それじゃインパクトが薄いか。
 三つ目の提案は…
 『うみのいえ』
 …なるほど、体育館並に広い僕達の教室なら、『海』を演出するのも可能だ。委員長に、ちょっと砂場の砂でも持ってきてもらって、ペットボトルで水を撒けば海が出来る。ついでに、人形サイズの家でも委員長に置いてもらえば、海の家が完成だ。
 あれ?
 委員長に頼りっぱなしじゃないか、それじゃ。
 四つ目の提案と五つ目の提案は…
 『ブルマー』
 …一般成人男性向けの企画として、女生徒の使用済みブルマーを売ろうという企画らしい。
 女生徒全員(含む委員長)の反対意見で却下された。
 『スパッツ』
 …『ブルマー』と同様に一般成人男性向けの企画として、女生徒の使用済みスパッツを売ろうという企画らしい。
 一部の男子生徒からの支持は集めたが、『ブルマー』と同様に女生徒全員(含む委員長)の反対意見で却下された。
 正の字の変わりに、10票をまとめて『恥』、『恥』と黒板に書き殴っていた委員長の顔が怖かった。
 そういえば、黒板の字を見てわかる通り、委員長は字があまり上手じゃない。それが、委員長の唯一の欠点かもしれない。
 次に六つ目…最後の提案だ。
 これが問題だった。
 『委員長の裸体登り』
 …おーい、委員長?あなたの裸をアトラクション代わりにして、登ってしまおうという提案ですよ?
 そんな冗談、黒板に書かないで却下しちゃえばいいのに。
 最初は、僕も苦笑していた。
 だが、委員長は冗談と受け取らなかったのだ。
 眼鏡の下の、きりっとした目が少し釣り上がって細くなる。
 あ、委員長が怒ってる…
 黒板に『委員長の裸体登り』と書き終えた彼女は、自分の席の方…つまり僕達の教室…へと戻ってきた。
 委員長の巨大な影が近づく。
 僕達が居る委員長の机の上の教室は、1/100サイズの僕達にとっては数十メートルの高さに匹敵する。
 建物で言うと、少なくとも20階建て以上の高さだ。
 それは、委員長にとっては彼女の腰の高さと同じ位だ。
 僕達の教室を真上から見下ろす事が、彼女には可能だ。
 「この提案に関しては、私から質問があります。
  田村君…良いわよね?」
 委員長のセーラー服姿の上半身が、僕達の教室を見下ろしていた。その瞳が、命知らずな提案をした男子生徒、田村をにらみつけている。
 両手を腰に当てて、ぐいっと僕達の教室の真上から顔を近づける。
 彼女は機嫌が悪くなると、そうやって腰に手を当てる事が多い。小学生の頃から、そういう動作が多かった。
 今の彼女は両手を腰に当てていて、相当怒っているように見えた。
 身長150メートルの巨人の女の子が。怒った様子で僕達を見下ろしている。
 さすがに怖い。
 いや、委員長が馬鹿な事を提案した田村を指で潰しちゃうのは、まあ構わないけど、僕達を巻き添いにしないように気をつけてね…
 実際、僕達サイズの教室に手を入れて、1人の生徒だけを狙って潰すには、委員長の手は大き過ぎる…
 「人は何で服を着る必要があるのでしょう?
  答えて下さい、田村君」
 「そ、そりゃ、人間は馬鹿だから、服を着てないとSEXしまくっちゃうからだよ」
 さすがに怖くなったのだろう。田村は、おどおどと答えた。
 「…品が無い表現ですが、確かに同感です。
  人は特定の発情期というものが存在せず、体調さえ悪くなければ一年中性行為が可能です。
  その上、男性も女性も生殖が体の前面に位置していますから、体を隠さなくては、間違った認識でのお互いに後悔してしまう性行為が行われる恐れがあります」
 保健体育の授業で習った内容を、委員長はスラスラと述べた。
 一言で表現すると、『裸だとエッチだから、服着ろよ』という事になる。
 「では、田村君に、もう一つ質問です」
 委員長の質問は終わらない。
 「それがわかっていながら、どうして女生徒…私が裸になるような提案をするのですか?矛盾していると思いませんか?
  あなたの提案は女性徒を性的に侮辱しているように、私は感じました」
 委員長の声には、一般の女生徒達から同意の声が上がった。
 「委員長、踏み潰しちゃいなよ!」
 「窓から投げ捨てちゃえ!」
 女生徒達の無責任な怒号。
 「私は返答によっては、『学級委員』の力を以って、田村君を粛清する用意があります。
  …安心してください。どういう風に、この世から削除されたいのか、相談には乗りますからね」
 委員長は、笑顔を見せようとした。
 怒りで我を忘れているのだる。台詞と笑顔の組み合わせが威圧にしかなっていないことには気づいていないようだ。
 「い、いや、だから、そういう事だよ」
 恐ろしい笑顔に見下ろされた、田村の声が震えている。
 「意味がわかりません。どういう事ですか?」
 委員長の右手が上がった。彼女の指が教室の上から僕達に近づいてくる。
 それを見ると、さすがにクラス中、静まり返った。
 「ほ、ほら、委員長は、そうやって俺達の事を気分しだいで簡単に皆殺しに出来るだろう?」
 「それは、まあ、そうですね」
 田村の言葉の意図がわからない。だが、それでも委員長の顔色は和らいだ。
 「確かに、みんなには悪い気がするけど、私は『学級委員』としての職務の為に、みんなの100倍の体の大きさと権力を与えられてます。
クラスメートのみんなが、私に逆らえないための、圧倒的な体のサイズと力を所持しているわけです。
  …だからこそ、クラスの風紀を乱す者に対して、必要な時には、この力と権力を行使するのも、私の義務です。
  田村君。
  私は、あなたに理由を説明しろと言っているの。
  なるべく早急に、わかりやすくお願い出来ますか?」
 委員長の、少し優しい声が降ってくる。
 ここが他のクラスで、委員長が他の『学級委員』なら、とっくに田村は彼女達に粛清されているだろう。
 「た、確かに、服を着る事の必要性は委員長の言った通りだよ。
  だけど、それは対等な人間同士での話だろう?
  委員長は、そんなに大きいんだし、全然対等じゃないじゃないか
  も、もし、委員長が裸でも、この学校の男子生徒が何か出来るわけないじゃん」
 命の危険を感じて必死に弁解する田村。
 大体、最初からこんな提案をする事が間違っている。裸になって、遊園地のアトラクションみたいになれなんて、委員長が優しいと思って、ふざけ過ぎだ。
 さすがに潰してしまうのは可哀想かもしれないけど、委員長も、もう少し怒った方が良いと思う。
 僕は、委員長の次の言葉を期待する。
 「なるほど…一理ありますね」
 委員長は納得した。
 …納得したらだめだよ委員長。
 少し頷いた様子を見せた彼女だったが、
 「みんな、田村君の周りから離れて下さい。
  これから、彼に指を近づけます。
  …田村君は動いてはいけませんよ?」
 変わらぬ口調で宣言した。
 委員長の巨体が動く。
 田村の周りの生徒が、大急ぎで逃げ出す。
 「ちょ、ちょっと待て、助けてくれ!」
 田村は、ふざけてはいるが賢い男だ。
 これだけ巨大な委員長から逃げようとしても無駄な事を理解している。
 まだ、謝った方がマシだ。
 僕も巻き添いにならないように離れて、様子を伺った。
 天井から委員長の手が近づいてきた。
 バレーボールのコート、1面分位はある手のひらだ。
 それが悪意を持っている事を考えると、気が狂っても不思議では無い。
 その委員長の手が、器用に田村を摘み上げた。
 委員長の腰の高さから顔の高さまで、僕達の感覚では、60メートル以上の距離を一瞬で持ち上げられた。
 それにしても、彼女は、本当に小人を摘み上げるのが上手だ。
 …いや、まあ、一年生の時に、何度も僕を練習台にして特訓したからなんだけど。
 今の委員長があるのも、僕のおかげというわけだ。
 いや、そんな事を考えてる場合ではない。
 「うわーーー、殺すのは勘弁してくれー」
 委員長の指の間で田村が暴れているが、委員長の指は微塵も動かない。虫と人間の差、どうしようもない力の差が、そこに存在した。
 無表情な様子で、委員長が暴れる田村を眺める。
 「お、おい、委員長落ち着いて!
  田村も、ちゃんと謝れ!」
 さすがに見過ごせなくて、僕は叫んだ。
 委員長は、ちらりと僕の方を一瞥しただけで、田村に向かって言葉を続けた。
 「確かに、田村君の言う通りです。
  私は、このまま少し指に力を入れるだけで、彼を簡単に捻り潰す事が出来ますね」
 田村と、机の上に居る僕達を交互に見る。
 「しかも田村君は、こうして必死に抵抗して、私の指から逃れようとしていますが全く無駄な行為です。
  どんなに男子生徒の彼が力を入れたとしても、私の体の大きさは彼の100倍もありますから、彼が何をしても全く意味がありません。
  …正直、彼が力を入れてるのかどうか、私には感じる事も難しいです」
 今更ながら、自分と一般生徒の力の差について語る委員長。
 もう、田村も言葉が無い。
 調子に乗りすぎた事を、少しは反省してるんだろうか?
 「これは、確かに対等の関係とは言えません。
  私とみんなの間には、圧倒的な力の差が確かに存在します。
  …わかりました。
  田村君の言う通りです。
  虫けら相手に、人が裸を見られる事を嫌がるのは、おかしいですね」
 委員長は無表情のまま、田村を見つめる。
 あれ?
 裸になる事を認めたの??
 「でも、私は今まで、こういう平等で無い力の関係をなるべく意識にしないようにしてきましたし、みんなにも意識させないように、努力してきたつもりです。
  みんな、どう思いますか?
  田村君の提案を認める事は、私とみんなが対等で無い事をはっきりと認める事、みんなが私にとって虫けらみたいな存在である事を、認める事になりませんか?
  …みんなは、それでもいいですか?
  私が堂々と、みんなを虫けら扱いし始めても?」
 理路整然とした委員長の言葉。力では無くて言葉でクラスメートに訴えかける。
 今まで、常に風紀を守ろうと勤めつつも、小さな生徒達を踏み潰す事も無かった委員長の言葉である。彼女の積み重ねてきた行動が、彼女の言葉に説得力を持たせる。
 途端にクラスから声が上がった。
 「委員長は今のままで居てくれー!」
 男子生徒の声。
 「馬鹿な事を言う男子は握り潰しちゃえー!」
 女子生徒の声
 「でも、せっかくだから裸体登りはやらせてー!」
 男子生徒の声。
 そんな風に男子生徒と女子生徒の色んな声が飛び交った。
 肝心の田村は…
 「わ、わかった。委員長の言う通りだ。
  だから、学園祭の間だけ…『委員長の裸体登り』をやってる間だけ、そういう風に一般生徒の事を虫けらとして考えるって事でどうだ?
  参加者…特に男が変な事をしようとしたら、虫と思って叩き潰すんだ。
  ほ、ほら、学園祭ってお祭りだろ?
  それ位の事、やってもいいじゃないか?」
 早口に言った。
 こいつ、そんなに委員長の裸を見たいんだろうか?
 「お祭り…」
 委員長の小さな呟き。
 あ、ま、まずい。
 委員長の顔色が一瞬変わったのを僕は見逃さなかった。多分、僕しか気づかなかっただろう。
 「それも…一理ありますね。
  祭りの間、少しはめを外すのは悪い事では無いと思います」
 今までの説教をする様子から、明らかに口調が変わっている。
 委員長は摘み上げていた田村を、教室へと降ろした。
 しまった…
 祭りというのは委員長にとっては禁句なのだ。
 この子は、小さな頃から祭りのようなイベントが大好きだ。
 夏には浴衣を着て、いつも、羽目を外してはしゃいでいた…
 小学生の頃の彼女を知っている僕しか、多分この事は知らないはずだが、田村は偶然、そこを突いてしまったようである。
 委員長の態度の変化に、再びクラスは騒然となった。
 「そうですね、では、私の裸体登りは提案として認めます。
  …但し、もしも私の体に変な事をしようとしたら、容赦なく叩き潰します」
 結局、委員長は自分の裸体登りを認めてしまった。
 その後は、他に文化祭の出し物の提案は無かったので、投票という事になった。
 結果は…

 きっきっきっき茶店→2
 おばQ屋敷→     4
 うみの家→    1
 ブルマー→     却下
 スパッツ→     却下(でも36票入った。恥=10)
 委員長の裸体登り→ 40票を越えた所で数えるのが面倒になってやめた。

 男子生徒達の組織票の結果、うちのクラスの文化祭の出し物は委員長の裸体登りに決まってしまった。
 委員長…本当にいいの?
 僕は疑問に思ったが、決まってしまったものは仕方ない。そうしてホームルームも終わり、下校の時間がやってきた。
 僕達一般生徒と委員長は、それぞれのルートで教室を出て、帰宅を始めた…

 4.下校編

 学校を出て下校しながら、僕はため息をついた。
 冷静に考えると、やっぱり『委員長の裸体登り』は、どうかなーと思う。
 だって、登らないで、とりあえず遠くから眺めるだけっていう男子が大量に発生しそうだし、単なる巨大委員長のヌードショーになるんじゃないだろうか?
 委員長の裸を他の男に見せたくないという気持ちもある。
 そんな事を考えながら、下校する。
 胸ポケットの辺りが、むずむずとした。何かが動いているようだ。
 「ねえ…やっぱり私の裸体登りって嫌なんだけど、何とかならないかしら?」
 女の子の声が聞こえた。委員長の声だ。
 「嫌なら嫌って、言えば良かったじゃない、委員長…」
 「う、うん、途中まで、そういう流れで行こうと思ったんですけど、田村君の言う事にも一理あるし、『お祭り』って言われたら…」
 「それは、わかるけど…」
 胸ポケットに居る小さな生き物と、僕は話す。
 委員長が、今は僕の胸ポケットの中に居た。
 ふー…と、2人でため息をつく。
 こうして、2人でため息をつきながら下校する事は少なくなかった。
 こうやって『学級委員』と2人で帰る権利を、僕は与えられている。
 そもそもの問題は、『学級委員』の権限が有効なのは、もちろん学校の中だけという事だった。
 学校の外に出ると、校内では無敵の『学級委員』も単なる女子高生なってしまう。
 そうなると、心無い生徒が学校内での『学級委員』の力を恨んで、学校の外で彼女達に危害を加える事が考えられた。
 「西川君も、私の裸体登り参加するんですか?」
 「委員長の指に、ぷちって潰されるのは嫌だなー…」
 「そんな事はしません。
  …でも、西川君だったら、ぷちって潰しても許してくれそうだから、するかもしれないですね」
 えへへ。っと、委員長は微笑んだ。
 学校の中に居る時とは、体の大きさが逆になっている。
 でも、僕と委員長の関係に大した変化は無く、2人で話している。
 あくまでも、僕は、一般生徒だ。
 学校の中では『学級委員』達の足元に居る存在で、彼女達の圧倒的な力に逆らう手段を何も持っていない。
 ただ、学校の外では、特殊な立場を与えられている。
 『送迎者』
 それが、僕に与えられた立場だ。
 特定の『学級委員』…僕の場合は委員長…の校外での安全を守ることが僕の仕事である。
 『学級委員』の個人情報を守るため、住所がばれないように、毎日、こうして縮小化された『学級委員』を隠しながら、こっそりと送り迎えをする事から、『送迎者』と呼び名がついた。
 これは、各『学級委員』の指名によって選出される立場だ。
 1年生の時に『学級委員』に選ばれた女生徒は、一番信頼できる相手を『送迎者』として任命する。
 それが他のクラスの生徒の場合は、特例としてクラス替えまで行われてしまう。
 普通は仲の良い同姓の友達を『送迎者』に任命する事が多いのだが、委員長は迷わず僕の事を『送迎者』に任命してくれた。
 「それにしても、朝は怖かったです。西川君が踏み潰されそうになってたから…」
 委員長の心配そうな声…
 1年生の『学級委員』に、僕が踏み潰されそうになったときの事だ。
 「あれは…ほんとにごめん。
  まさか、『送迎者』を踏み潰そうとする奴が居るとは思わなかった」
 思い出してみると、やはり怖い。
 『学級委員』は、『送迎者』には手を出さない事が暗黙のルールになっている事に甘えていたのは確かだ。
 例え他の『学級委員』の『送迎者』であっても、『送迎者』=『学級委員』の最も大事な友達である。
 『送迎者』に手を出すことは、その『学級委員』を敵に回す事になる。だから、普通は『送迎者』だけには手を出さない。
 ましてや、その長たる委員長の『送迎者』を踏み潰そうとする奴が居るとは…
 「あの子、知らなかっただけだと思うから、あんまり虐めないでやってね?」
 僕は初々しい様子を見せてくれた巨人の女の子を庇った。
 「そんな事はしません。
  …そういう西川君も、気をつけてくださいね?」
 委員長の毅然とした声。
 これだけ小さな姿になっていても、全く怯えた様子を見せないのは尊敬してしまう。
 小さくてもこうなんだから、こんな子が100倍サイズになったら、他の生徒も『学級委員』も敵わないのは当然だ。
 「委員長の裸体登り…変な事にはならないように、僕も気をつけるよ。
  それより、明日、プール行かない?」
 「別に、いいですよ。でも、勉強も忘れないで下さいね」
 僕の誘いに、委員長は頷いた。
 デートの話は2秒でまとまった。
 そういえば、同じサイズで会うのって、結構久しぶりになるのかな?
 学校の中では委員長はいつも巨人だし、登下校の時は、こうして僕が運んであげてる。
 なかなか、同じサイズで会う機会が無い…
 ちょっと寂しい。
 ともかく明日はデートだ。
 委員長、どんな水着を着てくるかな… 

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(
 ̄_ ̄)ノあ( ̄_ ̄)ノと( ̄_ ̄)ノが( ̄_ ̄)ノき


なんか、続きがありそうな雰囲気ですが、ひとまず完結です。

読んで下さった方、おつかれさまです。

ツッコミ所満載の世界で、主人公すら世界観にツッコミ入れてましたが、気にしないで下さい…

以下、自己満足の、この話の製作過程です。


(
この話が出来るまで。)

某お絵かきチャットで、ふと画面を見てみたら、黒板の絵が載ってました。

ヽ( ゜Д゜)ノ MTS学って何?らうみぃって誰?

まず、吹いたのがきっかけです。

それから、↓のようなチャットが発生しました。

住人A:ヽ(`⌒´)ノ このクラス、何人生徒が居るんだよ

確かに、黒板の投票を数を見る限り、100人以上はクラスに居そうです。

MTS
( ̄_ ̄)ノ きっと、蟻サイズに縮小された生徒が2000人位…

住人B(⌒∇⌒) ノ委員長と先生だけ、普通のサイズなんだね!

住人A、住人BMTS:ヽ(⌒∇⌒) ノヽ(⌒∇⌒) ノヽ(⌒∇⌒) ノ なるほどー

こうして、世界観が確定しました。

改めて黒板を眺めてみます。

MTS
( ̄_ ̄)ノ (裸体登りを認めてる位だから、委員長は優しいんだろうなー…)

こうして、委員長のキャラが確定しました。

MTS
( ̄_ ̄)ノ (よし、それなら、ほのぼの系でがんばってみよう)

後は、ひたすら勢いで…

以上。

(
 ̄_ ̄)ノ まさか本当にSSにするとは、誰も思わなかっただろうな、フフフ